「食中毒」が
気になる季節に
気を付けたいこと
更新日:2021/7/15
外食だけでなく、家庭での食事にも「食中毒」のリスクはあります。食材や調理器具の扱い方、調理方法などに注意が必要です。
そこで、日本消化器病学会専門医の今村甲彦先生に、食中毒のメカニズムと発生させないポイントや、生活の中に取り入れられる対策方法を教えてもらいました。
監修:医師 今村甲彦さん
きちんと知っておきたい
食中毒の原因と対策
食中毒の主な原因は
「細菌」と「ウイルス」
細菌が原因の食中毒は、6月~8月に多く発生します。その理由は、食中毒を引き起こす細菌の多くが湿気を好み、暑い時期の室温(約20℃)で活発に増殖し始めるため。細菌の多くは、牛や豚の腸の中にいる細菌で、加熱不十分の食肉が原因になりやすいといわれています。
ウイルスが原因の食中毒は、11月~3月に多く発生します。ウイルスは、低温や乾燥した環境で長く生存するからです。食中毒の原因となるノロウイルスは、汚染された二枚貝や井戸水、ノロウイルスに感染した人の飛沫などを介して感染するケースが多く報告されています。
細菌やウイルスを
しっかり除去する予防法
目に見えない細菌やウイルスは、肉や魚などの食材、人の手に付着している可能性が高いため、調理や食事の時には注意が必要です。
細菌による食中毒の予防3つの原則
つけない…細菌を食べ物に付着させないため、こまめに手洗い
増やさない…食べ物に付着した細菌を増やさないために低温保存
やっつける…食べ物や調理器具に付着した細菌を加熱処理
ウイルスによる食中毒の予防4つの原則
持ち込まない…ウイルスに感染したらキッチンに入らない
つけない…ウイルスを食べ物に付着させないため、こまめに手洗い
広げない…ウイルスを食べ物に広げないため、調理器具をこまめに清掃
やっつける…食べ物や調理器具に付着したウイルスを加熱処理
食中毒予防において、こまめな手洗いは重要。次のような時には、せっけんを使って手を洗いましょう。
調理を始める前
生の肉や魚、卵などを取り扱う前後
調理の途中でトイレに行ったり、鼻をかんだりした後
おむつを交換したり、動物に触れたりした後
食卓につく前
残った食品を保存する前
食中毒予防+アルコール除菌で
安心・安全な食卓に
細菌やウイルスの中には、アルコールで除去できるものもあります。食中毒予防の原則を徹底したうえで、手指や調理器具、テーブルをアルコールで拭き取れば、食中毒の危険性をさらに軽減することが可能です。
※すべての細菌・ウイルスがアルコールで除去できるわけではありません。
調理中の拭き取り除菌を
習慣化して食中毒予防
細菌やウイルスは、どこに潜んでいるかわかりません。手で触れる機会の多い部分をアルコール配合の除菌グッズで除菌して、清潔な状態で食事やお菓子を作りましょう。
手洗い+アルコール入り
ウェットティッシュでより安全に
調理前はもちろん、生の肉や魚を取り扱う前後は必ずせっけんで手を洗いましょう。その後、アルコール配合のグッズで手指を拭き取ることで、さらに安心度が高まります。
お弁当を作る時は、特に手洗いが重要。サンドイッチなどは直に触れて作り、常温で保存することが多いため、細菌やウイルスが広がりやすいからです。
調理台や調理器具も拭き取って
清潔な状態を維持しよう
手が触れやすい部分は事前に除菌
人の手にも細菌やウイルスが付着している場合があるため、調理台や水道の蛇口、冷蔵庫や電子レンジの取っ手など、調理中に手が触れる部分をアルコール配合の除菌グッズで拭き取り、除菌しておくと安心。調理中に汚れた時にも、すぐに拭き取って清潔にしておきましょう。
包丁は熱湯消毒後に拭き取り
生の肉や魚を切った後の包丁に細菌が付着している可能性を考え、ほかの食材を切る前に洗剤で洗い、熱湯をかけて殺菌。仕上げにアルコール配合の除菌グッズで拭き取れば、さらに安心です。
水洗いができない部分も拭き掃除で清潔に
食材を保存している間や調理の最中に、冷蔵庫や電子レンジの内部が汚れてしまった時も、アルコール配合のシート型の除菌グッズなどでサッと拭き取り。こまめに拭き掃除を行うことで、細菌やウイルスの付着や増殖を防げます。
食事の前にも対策をして
食中毒知らずの食卓に
アルコール配合の除菌グッズで
テーブルを除菌しよう
いつでもサッと除菌できるようにアルコール配合の除菌ウェットティッシュを食卓に用意し、食事の前にテーブルを拭く習慣をつけるとよいでしょう。常に清潔で使い捨てできる除菌ウェットティッシュは、台ふきんの代わりとしても重宝しますよ。
食事の前にも手をせっけんで洗い、アルコール配合のグッズで拭いて、安心な食卓に。箸やフォークなども一緒に拭いて、除菌しておきましょう。
除菌ウェットティッシュを携帯し、
外食時も安心・安全を確保
外食の時には、「外出用の除菌ウェットティッシュ」を携帯し、使用するテーブルや箸、フォーク、手指もきちんと拭きましょう。多くの人が利用する公共の場でこそ、対策を忘れずに。
今回の記事では医師の今村先生監修のもと、一般的な食中毒予防の方法をお届けしました。
最後に、シルコットウェットティッシュの中で、アルコールを配合している商品をご紹介します。商品選びの際の参考にしてみてくださいね。
監修
今村甲彦さん
医師
日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。久留米大学病院高度救命救急センターを経て、現在は地域の中核病院で内科診療および内視鏡検査に励む。“患者さんの声に常に耳を傾ける”ことをモットーに、消化器・肝臓領域から風邪、高血圧等の一般内科領域まで幅広く診療を行う。