災害時にも活躍!
シルコットウェット備蓄のすすめ
更新日:2021/08/30
大雨による洪水や地震などの災害に対する備えは、自分や家族の命を守るうえで重要。被災時に必要なものをまとめた「非常持ち出し袋(防災リュック)」を用意しておくと、安心材料の1つになります。
非常持ち出し袋の中身や備える場所、災害時の活用法について、防災専門家の高荷智也さんに教えてもらいました。
監修:備え・防災アドバイザー 高荷智也さん
【防災編】
非常持ち出し袋の準備
非常持ち出し袋って
何のために必要なの?
非常持ち出し袋は、緊急時に最寄りの避難場所や避難所に移動する際に必要なアイテムをまとめたものを指します。詰めるアイテムは、以下の2つの要素を意識して厳選しましょう。
避難時に命を守るためのアイテム
避難所で数日間生活するためのアイテム
非常持ち出し袋には
何を入れたらいい?
非常持ち出し袋を準備する際のポイントは、アイテムを「一家に1つ必要なもの」と「1人に1つ必要なもの」に分類すること。
「一家に1つ必要なもの」と「1人に1つ必要なもの」を詰めたマスターバッグを世帯に1つ用意し、家族の人数に応じて「1人に1つ必要なもの」を詰めたサブバッグも用意しましょう。
例えば、両親と子どもの3人家族であれば、家族全員が必要なものを詰めたマスターバッグを1つ、非常食や着替えなどの生活用品を詰めたサブバッグを1つ準備。全員いる時に災害が生じたら、すべて持ち出しましょう。家族の誰かがいない状態で災害が生じた場合は、最低でもマスターバッグは持ち出し、余裕があればサブバッグも持っていくといった運用が考えられます。
避難時は両手が使える状態にしたいので、マスターバッグ、サブバッグともにリュックでの準備が望ましいです。
非常持ち出し袋を準備しよう
非常持ち出し袋に詰めるアイテムを用意しましょう。具体的に必要なアイテムは、チェックリストでご確認を。
拭き取りの際「水」の代用になるウェットティッシュ
チェックリストに入っている「ウェットティッシュ」は、災害時に重宝するアイテム。手洗いや食器洗いの水の代用品として使用できるからです。
水はとても重量があるので、ウェットティッシュで代用することで非常持ち出し袋を軽くする効果もあります。水は飲用のものだけ準備しましょう。
非常持ち出し袋は「背負って走れる重さ」に
チェックリストのアイテムをすべて入れるとかなりの重さになり、背負って避難できないと感じる人もいるでしょう。その場合は、優先順位の低いものから減らし、背負って走れる重さに調整しましょう。
完成した非常持ち出し袋を背負って、最寄りの避難場所や避難所までの道のりを歩いてみましょう。非常持ち出し袋の重さとともに、避難経路の安全性も確認できます。昼間、夜間、雨の日など、さまざまなシチュエーションで確認しておくと安心です。
すぐに持ち出せる「玄関」に配置
非常持ち出し袋は緊急時にすぐ持ち出せなければ意味がないので、備える場所は玄関脇がベスト。玄関に置くスペースがなければ、玄関に近い廊下などに置きましょう。
非常持ち出し袋というと銀色のリュックを想像すると思いますが、目立ちすぎるデザインだと玄関に置きづらく、押し入れの奥などにしまってしまいがちです。そうならないため、普段使いできるようなリュックで用意してもいいですし、カバーで目隠しするのもおすすめです。
防災において重要な考え方
「ローリングストック」
「ローリングストック」とは、食料やウェットティッシュなど期限があるものを少し多めに買って備え、使った分だけ新しく買い足すという備え方のこと。期限管理が不要になるというメリットがあります。
「非常持ち出し袋1つにウェットティッシュを1つ入れておき、半年ごとに新品と取り換えて古い方を使う」といったようにルール化すると、知らない間に備蓄用の期限が切れているということがなくなります。
【避難所編】
被災時のシルコットウェット活用法
「シルコットウェット」は、避難所生活のさまざまな場面で役立つアイテムです。
「99.99%除菌」や「ノンアルコール除菌」、「ピュアウォーター」などいくつかの種類を備えることをおすすめしますが、非常持ち出し袋の容量や重さに応じて調整しましょう。
重たくてかさばる
「水」の代用品として
純粋99%でやさしい使い心地の「ピュアウォーター」は、手洗いの代わりにちょっとした汚れを拭き取ることができます。お風呂が使えない場合は、体拭きとしても利用可能です。避難せずに家で過ごすとしても、断水してしまった場合に水の代わりになるので、備えておきましょう。
安心して生活するための
衛生管理用品として
避難所での生活は資源が限られることが予想されるため、紙やプラスチック製の食器も貴重です。自然由来の除菌成分・緑茶カテキンを配合した「ノンアルコール除菌」で、使い終わった食器の汚れを拭き取れば、再利用できます。断水時にも応用できる活用法です。
コロナ禍においては
携帯除菌グッズとして
各種感染対策が気になる場合は、アルコール配合・厚手メッシュシートで菌と汚れをしっかりキャッチする「99.99%除菌」も準備しておきましょう。ドアノブや水道の蛇口など、共用部の気になる部分を拭き取ってから触れると安心です。
防災の大前提は
安全で安心な環境作り
非常持ち出し袋は、無事に避難できてこそ役立つアイテム。生きて避難するためには、家の耐震補強や家具の固定も重要です。非常持ち出し袋のチェックと合わせて、災害で崩れない住宅環境の見直しも忘れずに!
・一家に1つ必要なもの(マスターバッグに入れるもの)
【命を守るためのアイテム】
ハザードマップ/周辺地図
携帯ラジオ
ペン・メモ帳
救急応急手当セット(三角巾/伸縮包帯/止血パッド/ばんそうこう/滅菌ガーゼ/軟膏/解熱鎮痛剤/消毒液など)
万能ナイフ/マルチプライヤー
イヤホン
ルーペ/拡大鏡
延長コード/電源タップ
保湿クリーム/リップ
スポーツドリンクの粉/塩あめ/塩分補給タブレット
【生活するためのアイテム】
レジャーシート/クッションシート
LEDランタン/LED懐中電灯
貴重品入れ/ポーチ
現金(小銭や1000円札を多めに)
ミニアルバム(家族やペットの写真/連絡先メモ/免許や保険証のコピーなど)
アルコール消毒液
体温計
屋内テント
裁縫セット
油性マジックペン
食品用ラップ
セロテープ/ガムテープ/輪ゴム/ひも/ロープ
文具各種(はさみ/カッターなど)
給水バッグ/折りたたみ給水タンク
携帯用浄水器
缶切り
使い捨てカメラ
写真をデータ化したメモリ
娯楽用品(トランプ/カードゲーム/ぬいぐるみなど音の出ないもの)
・1人に1つ必要なもの(マスターバッグ、サブバッグにそれぞれ入れるもの)
【命を守るためのアイテム】
靴(踏み抜き防止インソール入り)
グローブ/軍手
雨具/レインコート
LEDヘッドライト
ホイッスル
乾電池スマホ充電器
USBスマホ充電器
充電ケーブル/変換コネクタ
予備乾電池(1日8本程度)
替えの下着(3日分)※
タオル/手拭い(3日分)
ヘルメット/防災頭巾(帽子)
モバイルバッテリー
氏名、連絡先、血液型メモ
家族やペットの写真
替えの上着(1組)※
うちわ/扇子/冷涼タオル
使い捨てカイロ
防寒具(マフラー/手袋/帽子)※
防寒着※
【生活をするためのアイテム】
歯ブラシ用品(歯ブラシセット/歯間ブラシ/入れ歯洗浄セット/ペーパー歯みがき/キシリトールガムなど)
ティッシュペーパー
除菌ウェットティッシュ
ウェットティッシュ(除菌タイプではなく、口回りなどにも使えるもの)
マスク(3枚以上)
携帯トイレ/非常用トイレ(5回×3日分)
水に流せるティッシュ/トイレットペーパー
目隠しポンチョ/アルミシート
寝袋/簡易ブランケット※
簡易エアマット※
アルミブランケット
屋内用スリッパ
ビニール袋(大・小)(各10枚程度)
防臭袋(10枚程度)
飲料水(500ml×数本)※
非常食(栄養補助食品/ようかん/チョコレートなど)(数個)※
ビタミン&ミネラル錠剤/野菜ジュースなど栄養を補うもの(3日分)※
ミルク/離乳食/アレルギー対応非常食/ペットフードなど個別対応の非常食(3日分)※
食器(割り箸/スプーン/紙皿など)(3日分)
個別に必要なもの(メガネ・コンタクト・補聴器・杖などのスペア/生理用品/化粧品/ストーマ装具/在宅医療機器のバッテリー/持病の薬の予備/お薬手帳/赤ちゃん用品/ペット用品/介護用品など)
ボディシート
ドライシャンプー
アイマスク/耳栓/空気枕
帽子
シューズバッグ
屋外用サンダル
風呂敷/バンダナ
ミニバッグ/トートバッグ
ゼリー飲料(数個)※
※着替え・寝具・食糧などのかさばる荷物については、3日分を持ち出そうとすると重量が増え、避難に支障が出るおそれも。これらはボストンバッグやキャリーバッグに分けて準備し、余裕があれば持ち出し、状況が切迫している場合はマスターバッグだけ持って避難するという備え方も1つの方法です。
監修
高荷智也さん
備え・防災アドバイザー
「備え・防災は日本のライフスタイル」をテーマに、「自分と家族が死なないための防災対策」のポイントを理論で解説するフリーの専門家。大地震や感染症など自然災害への備えから、銃火器を使わないゾンビ対策まで、堅い防災を分かりやすく伝える活動に定評があり、講演・執筆・メディア出演の実績も多い。著書に『緊急事態宣言対応 最善最強の防災ガイドブック』『キミならどうする!? もしもサバイバル ゾンビから身を守る方法』など。